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伊藤美来さん、逢田梨香子さんからの質問に篠原俊哉監督が回答!

12月3日(土)に沖縄県南城市にて開催された『白い砂のアクアトープ』スペシャルトークイベント。イベント内では篠原俊哉監督、伊藤美来さん、逢田梨香子さんがお互いに質問&回答するクロストークコーナーを実施しましたが、時間の関係で紹介しきれなかったものも……。

そこで事前に伊藤さん、逢田さんからいただいた質問&篠原監督の回答を全て公開!ここでしか読めない貴重なお話が満載ですので、
ぜひご覧ください!

◆伊藤美来さんからの質問


ペンギンスキーな篠原監督の水族館の周り方や絶対に見る生き物の展示があれば知りたいです!

◆回答
水族館はもちろんペンギンを中心に見て回ります。基本的に順路に沿って進むわけですが、あまり早くペンギンコーナーに辿り着くのはNG。色んな生き物たちの水槽を巡りつつ、ペンギンへの渇望感を積み重ね、ピークに達したところでペンギンコーナーが現れるのがベスト。この点、水槽展示を回る間も常にペンギン水槽が遠目に視界に入るような構造のすみだ水族館は、渇望感のアオリ方が完璧と言っていいでしょう。ペンギンガチ勢としては、ペンギン水槽前に辿り着いたら、子供たちを押しのけ最前列に陣取り望遠レンズであらゆる部分を激写! ハァハァ…という衝動を大人の理性でなんとか押さえ、後方からさりげなく撮りつつ、隙間を見つけては前進を繰り返し最前列に出ます。(結局出るんかい!)
ペンギン以外で必ず見るものは「タカアシガニ」。僕はエビ・イカ・タコ・カニが天敵で、全く食えません。しかし彼らの生物としての生態は非常に興味深く、食卓では見るのもおぞましいグロテスクなものなのに、アクリル一枚隔てると、長時間見続けても飽きません。写真は撮らないけどね。ペンギンは(他の生き物もそうかもしれませんが)漠然と見るより個体を意識してみるのが断然面白い。しばらく行動を追っかけていると、どんくさいヤツ、あわてん坊なヤツ、甘えん坊なヤツ等々キャラクター属性が見えてきて、より愛が深まります。ぜひ皆さんもお試しあれ。


 

◆逢田梨香子さんからの質問①


第一話でマネージャーさんが、風花のことを美人だけど目立たないと言っていましたが、次の曲のセンターが決まっていたようです。風花はグループの中でどんな立ち位置だったのでしょうか?また、人気はありましたか??どうしても私には、優しすぎるが故風花がアイドルに向いているように見えなくて、、、笑

◆回答
「美人だけど目立たない」というセリフはきっとマネージャーの「恩を仇で返しやがって」的な感情が乗っかって過剰な言い回しになっているんだと思います。風花のアイドル時代についてはアクアトープのファンクラブでも質問を受けました。ここでは製作委員会の茂山さんが書かれたテキストから一部を引用します。

※以下、引用部分※
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【アイドルとしての宮沢風花】
ルックスはやや地味ながらも整っていて綺麗。一気にファンを虜にするタイプではないが、三軍で加入した時から丁寧なファンへの対応、公演でのパフォーマンス、握手会・チェキ会の全出席(体調不良で休むアイドルは多いです)、SNSのこまめな更新などが少しずつ評判になり、「委員長」とあだ名がつく真面目さ。癒し系の歌声が特徴。コツコツと努力を続けていけるタイプで、ファンもそこを評価していて、穏やかでやや年齢層も高めな人が多い。
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※引用終わり※

僕(篠原)も風花は芸能界には向いてないのでは、と思います。自らの夢と器のギャップに振り回されたけれども、くくると出会えて良かったよね。


 

◆逢田梨香子さんからの質問②


白い砂のアクアトープはもちろんのこと、篠原監督の作品は海の描写がとても美しく心が洗われるのですが、過去に影響を受けた映画、好きな作品等がありましたら是非お話を伺いたいです。

◆回答
とても嬉しい言葉をありがとうございます! 描写が美しいのはもちろんスタッフのおかげです。こちらとしては描写の中に情感を盛り込むことで、見ている人に+αをもたらすよう心がけています。残照の海を広角レンズで捉えているだけのカットでも、そこに風花の押し殺した泣き声がかぶされば、海はとても哀しく美しく見える、そういうものです。ちなみにこれは師匠である出崎統(でざきおさむ)監督がよく用いる手法でした。好きな映画の話は延々してしまいそうなので、ここでは特に大きな影響を受けたものを列挙するに留めます。あ、でも古い映画ばかりなので引かないでね。「ミツバチのささやき」「エル・スール」(ヴィクトル・エリセ監督)/「カオス・シチリア物語」「グッドモーニング・バビロン」(タヴィアーニ兄弟監督)/「マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ」「サイダーハウス・ルール」(ラッセ・ハルストレム監督)/「2001年宇宙の旅」(スタンリー・キューブリック監督)/「スティング」「明日に向って撃て!」(ジョージ・ロイ・ヒル監督)/「パリ・テキサス」(ヴィム・ヴェンダース監督)/「さよなら子供たち」(ルイ・マル監督) あれ? 海が関係するのは「カオス・シチリア物語」だけだ…


 

◆逢田梨香子さんからの質問③


1番感情移入できるキャラは誰ですか?

◆回答
コンテ作業の際、その時描いているシーンにとって一番大事なキャラ。だからどのキャラにも思い入れがあり感情移入します。もちろん副館長も。感情移入しやすいキャラはおじいです。年齢が一番近いですからね(笑)。くくるや風花に対しても「色んな苦しいこともあるけれど、乗り越え、しなやかに育って欲しい」というおじいちゃん目線の願いを込めて描写していました。 空也や櫂もしやすかった。特に空也は描いていて楽しいキャラでした。



◆逢田梨香子さんからの質問④


白い砂のアクアトープのシナリオを考えている時1番苦労した点や、キャラの行く末をどうしようか迷った場面はありますか?

◆回答
くくると風花をどうやってツラい目に合わせようか、というところでしょうか。最初の頃の風花とか、2クールに入ってからのくくるとか。二人の夢の喪失から再生にかけての話なので、思いっきりツラい目にあってくれないと再生が活きないんです。ひどい話だと思われるかもしれませんが、監督なんてそんな人ばっかりです。殺さないだけまだマシかな。あと、水族館の飼育員は生き物の命を預かる仕事なので、闇雲に失敗談を積み重ねるわけにはいかなかったこと。命に関わる失敗を頻繁にしていたら、もはやダメ水族館ですからね。そんな中でどうドラマを作っていくかは苦労した点のひとつです。キャラの行く末は、風花が一番悩みました。結果として海外への長期研修留学になりましたが、本当は魚の獣医を目指そうとしていたんです。でも調べると資格を得る過程が大変だったり、日本では水族館でなく水産試験場で働くことがメインだったりで、ストーリーの中にうまく嵌められませんでした。 くくるが営業を選ぶ、という選択は僕の中では迷いがありませんでした。なんでだろ?